[世界展開力] インド工科大学グワハティ校でジョイント・ディグリーシンポジウム2024を共同開催しました

令和6年3月3日(日)~3月5日(火)、本学はインド工科大学グワハティ校(IITG)とジョイント・ディグリーシンポジウム2024を共同開催いたしました。このシンポジウムは、本学とIITG(本学とのジョイント・ディグリープログラム(JDP)開設大学)が現在進めている「大学の世界展開力強化事業 ~インド太平洋地域等との大学間交流形成支援~」の活動の一環で実施されたものです。

今回のシンポジウムは、JDPプラットフォーム(JDP実施を通して構築された連携関係)に基づく産学連携を通した日・北東インドのバイオエコノミー的技術協働について、日印の産学関係者が情報を共有し連携を促進することを目的に、IITGキャンパスにおいて対面形式で開催されました。

シンポジウムに先立ち、吉田 和弘 岐阜大学学長、岡田 亜弥 教授(名古屋大学大学院 国際開発研究科長)をはじめとする本学からの出席者12名がIITG学長室を訪れ、Rajeev Ahuja IITG学長代行ならびにIITGの学科・センター長に対し表敬訪問を行いました。両大学学長は、日印間で最初かつ唯一開設されているJDPを擁する両大学間の連携をさらに深めることを確認しました。さらに、IITGに開設されている健康科学分野ならびにデータサイエンス・人工知能分野の学部(School)であるJyoti & Bhupat Mehta School of Health Sciences & TechnologyならびにMehta Family School of Data Science and Artificial Intelligenceについての説明が行われ、当該分野における今後の教育研究連携についての意見が交わされました。

シンポジウム開会式では、Vimal Katiyar IITG教授と小山 博之 グローカル推進機構長による趣旨説明ののち、両大学学長の開会挨拶、在インド日本大使館からの祝辞がありました。ついで、両大学で開設している3つのJDPに関する協定書更新ならびに国際連携修了証発行型教育Glocal Expert Programに関する協定書締結に対する大学学長による署名式、IITGでの短期滞在プログラム(第3回スプリングスクール)の開校式が執り行われました。さらに、吉田 和弘 学長への栄誉教授の称号授与、本学IITG間のJDP博士号を最初に取得するMohammed Rafi Uz Zama Khan氏への表彰が行われました。その後のセッションでは、学術分野ならびに産業分野における日印連携の現状と将来構想について、日印大学教員ならびに政府関係者、企業関係者が発表を行いました。特に、岡田 亜弥 教授はインド・北東地域の社会経済発展と日本との協働への展望についての講演を行い、インド北東地域の特長を踏まえて提案された開発モデルに対し、参加者からの高い関心が集まりました。さらに、両大学JDP修士課程の一期生で日本貿易振興機構(JETRO)に勤務する丸山 春花氏からは、インド産業の現況分析と日本企業への支援活動が紹介されました。

シンポジウム2日目に行われた学術および産業に関するセッションでは、本学教員に加え、インドの大学・研究機関ならびに企業から、それぞれの研究成果や技術、製品について発表が行われ、持続可能性に関わる技術、バイオマス、グリーントランスフォーメーション、持続可能な農産物食品流通、デジタルトランスフォーメーション、防災減災などの幅広い分野に対して最新情報が紹介されました。特に、岐阜JDPコンソーシアムメンバーの竹資源利用技術はインドの竹資源利用を推進する鍵になると大きな注目を集め、北東インドのバイオエコノミー推進への期待が高まる議論がシンポジウム期間中、継続的に行われました。会場には、JDP学生を含む29名のポスター発表が行われ、シンポジウム参加者と研究討論を行いました。シンポジウムには、スプリングスクールに参加する本学学生10名も参加し、両大学で展開している上記分野の最新情報や両国の産業分野の最新動向に触れる機会となりました。

シンポジウム3日目に行われた研究施設・企業訪問では、IITGの研究施設であるCentre of Sustainable Polymers, School of Agro and Rural Technology, Centre of Nanotechnology, Department of Mechanical Engineering, Department of Bioscience and Bioengineeringを訪問し、各施設の特長を知るとともに、在籍する研究者と交流しました。その後、生物農薬を開発するインド企業・Green Harvest Biotech (Pvt) Limitedを訪問し、新しい分野を開拓するインド企業について知見を深めました。

今回のシンポジウムは、これまで東海国立大学機構および岐阜大学グローカル推進機構が開催してきた岐阜ジョイント・ディグリーシンポジウムに対応する形で実施されたもので、IITGキャンパス内で実施したシンポジウムとしては今回で2回目となります。今後も、グローカルJDPプラットフォームを基軸としたシンポジウムを岐阜とグワハティで継続的に開催し、岐阜・東海地域及び北東インド地域の産官学金と連携した取り組みを通して、高度人材育成および地域・国際社会の発展に貢献できるよう努めていきます。


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    握手する吉田 和弘 岐阜大学学長とRajeev Ahuja IITG学長代行

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    シンポジウム集合写真

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    講演する岡田 亜弥 教授(名古屋大学大学院 国際開発研究科長)

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    IITG研究施設見学(School of Agro and Rural TechnologyでのSudip Mitra教授の説明)

[ジョイント・ディグリープログラム(JDP)について]

JDP(国際連携専攻)の学生は本学と海外相手大学の両方に在籍し、標準修業年限(修士は2年、博士は3年)の中で一定期間を相手大学で修学します。留学を伴う国際的な教育環境の中で講義履修と研究活動を行い、在籍期間を延長することなく両大学による国際共同学位(国際ジョイント・ディグリー)を取得することができます。本学は2019年にマレーシア国民大学と1専攻(国際連携材料科学工学専攻)、IITGと3専攻(国際連携食品科学技術専攻修士課程、国際連携食品科学技術専攻博士課程および国際連携統合機械工学専攻博士課程)のJDPを開設しましたが、IITGとの協定書更新の署名式を本シンポジウムにて執り行いました。

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