日本語・日本文化教育センター(略称日文センター:旧称留学生センター)は、1996年5月、教員5名で旧工業短期大学の建物を活動の場として、留学生課とともに発足しました。当初の業務は、おもに国費外国人留学生のための日本語教育や修学・生活指導を行うことでした。設置後20年を経過する間に、学内外の要請に応じてしだいに業務を多様化させ、現在の業務は下記のとおりとなっています。
- (1)外国人留学生に対する日本語・日本文化教育(日本語研修コース、全学共通教育「日本語及び日本事情に関する科目」、サマースクール日本語授業と郡上プログラムのコーディネート、地域科学部国際教養コースへの授業提供、留学生就職促進プログラム日本語授業)
- (2)日本人学生に対する国際理解教育(全学共通教育「人文科学科目」)
- (3)多文化交流機会の提供(国際交流ラウンジ、郡上踊りワークショップ、能楽〈能と狂言〉ワークショップ、十二単の着装と体験等)
- (4)外国人留学生の受入れ(日本語・日本文化研修コース、日本社会文化プログラム)
- (5)地域自治体等との連係事業(「郡上市訪日外国人誘客事業」等)
近年は、学内における日文センターの位置づけも大きく変化してきました。まず2017年3月、多様化した業務を効果的かつ効率的に進めるため、手狭で教室もなかった旧工業短期大学の建物から地域科学部・共通教育棟4階へ、全面移転しました。そこには、センター長室・教員研究室(5室)・非常勤講師室・教室(2室)・和室(1室)・国際交流ラウンジが配置され、以前から同棟内にあった教室(4室)と合わせて、日文センター(当時は留学生センター)を中心とした国際教育機能が同一の建物内に集約されることとなり、本学の国際交流のさらなる発展に対応できる環境が整いました。
2018年4月には、日本語・日本文化教育センターと改称し、学内共同教育研究支援施設としての部局の位置づけから離れて、本学の国際化拠点である「グローカル推進本部」内の一組織となりました。
グローカル推進本部は国際・広報担当理事・副学長が本部長を務める学長直属の組織で、本学の国際化と地域社会のグローカル(グローバル+ローカル)化に貢献することを目的としています。この組織では、日文センター長が副本部長となり、センター教員もそれぞれ、本部内の国際協働教育推進部門・国際交流推進及び国際交流IR部門・留学基盤教育推進部門に出動し、部門のメンバーとして活動を行いました。
さらに2019年4月には、日文センターの親組織であるグローカル推進本部が「グローカル推進機構」と改称され、組織を拡大整備して新たに出発しました。この機構は、日文センター・国際協働教育推進部門・留学推進部門(旧留学基盤教育推進部門)・国際企画部門(旧国際交流推進及び国際交流IR部門)に新しく地域国際化推進部門を加え、業務の幅を拡げた組織となっています(機構長は国際広報担当理事・副学長、副機構長は日文センター長)。
2020年4月、岐阜大学は名古屋大学と法人統合を行い、「東海国立大学機構」が発足しました。時勢とともに日文センターを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、今後も、日文センターはさまざまな変化に対応して行くことが必要となるでしょう。しかしまずは、グローカル推進機構内に位置する組織として、本学の国際化と地域のグローカル化に貢献するという目的を達成するため、現在の業務を進展させることが肝要であると考えます。いっそうのご指導とご鞭撻をたまわりますよう、お願い申し上げるしだいです。
2020年4月
岐阜大学 日本語・日本文化教育センター長
橋本 慎吾